続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「何?意外そうね。あのね、星川麻美みたいなのは、レアケースよ。颯レベルなら、周りにわんさか居るかもだけど、私達みたいな一般家庭で育った人間の周りに、そうそう、ご令嬢なんか転がってないんだから。それに、ご令嬢って何か特別なこと?同じ人間だし、同じ女でしょ?」

「でも……だって、ご令嬢……だったら、何かと颯の後ろ盾というか役に立てるっていうか」

はぁぁぁっと実花子が、盛大に溜息を吐き出した。

「ばかっ!何度でも言ってやるから!ばかばかばかっ!」

「ひ、ひどい……そんなに言わなくても……」

実花子の綺麗な瞳が、キュッと細くなる。

「颯は、誰を選んだ訳?……ちなみに、私は、もう颯に未練なんて1ミリもないけど、さすがに颯が気の毒になってくるわね。颯が可哀そう、あんなにアンタに溺れてんのに!」

実花子は、マグカップ片手に肘をついた。

ーーーー私だって、どうしようもない程に颯に溺れてる。

颯のいない世界なんて、それこそどうやって呼吸したらいいかも分からないほどに、颯だけを見つめて、颯だけを求めてる。もういっそ、颯の手を取って、誰も知らないところへ二人で行ってしまえたらいいのに。

頭の中は、5000万の融資契約書と婚約破棄兼誓約書のの事がすぐに過ぎって私は、小さく頭を振った。
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