続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「へぇ、お前が、マジになるの珍しいな」

千歳は、眠気をごまかすように、卵焼きを咀嚼する。

「もう今すぐにでも結婚したいんすけど、実花子が、付き合って間がないからって……この間もベッドの上で、口説いてたんすけど……全然相手にしてくんないんですよね」

「それ、お前が、飄々としてるから、本気度合いが分かりづらいんじゃなくて?」

「あんまり実花子が、聞く耳持ってくれないんで、既成事実作るか、それか……もう僕、婚約指輪……買っちゃおうかな、なんて思うんですよね。でも、受け取って貰えなかったら悲惨だし……いきなり渡すと重いんすかね……結婚って。女の子からしたら、男が考えるより、特別で一生モノですし、そう考えると……いくら実花子が、好きだからって、あんまりがっつくのもどうなんだろとか思って。あ、ひいてます?」

俺は、思わず、食べかけていた唐揚げを皿に落っことした。

「……マジで。女からしたら婚約指輪って重いのか?」

真面目な顔で聞き返した俺に、目を丸くした千歳が、ケラケラと笑った。

「え、まじすか。颯先輩、もう用意してるって事?マジ王子様っすね」

「早く俺のモンにしたいの!」

「ぷっ……颯先輩でも焦るんすね」

俺は、赤くなった顔を千歳に見せないように、肘をつくと、掌で顔半分を覆った。
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