続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
(ダメ……吐いちゃう……)

何度もえづきながら、慌ててトイレへと向かう。

その時、背後からグッと腕を掴まれた。

「美弥!大丈夫か?」

振り返れば、すぐに颯が私を覗き込む。一瞬で、颯の顔が滲んだ。

「……ごめ……吐きそう……」

辛うじて返事をした私を、颯が慌てて、多目的トイレへと私の背中を抱きかかえるようにして連れて行く。

朝食べた物を吐き出すと、気分は、少しだけ良くなってきた。

「美弥?」

「……も、大丈夫」

心配そうに背中を摩ってくれていた颯を見上げれば、颯がすぐに私を横抱きにする。

「は、颯っ」

「昨日帰ってこないし、どんだけ心配したと思ってんだよ。てゆうか、めちゃくちゃ体調悪いじゃん」

颯は、そのまま副社長室に入ると、ソファーの上にそっと私を下ろして、自分のジャケットを私に掛けた。

「……ごめんな、俺が風邪ひかせたな」

颯は、自分のおでこをコツンと私に当てると、難しい顔をしている。

「ちょい、熱いかな」

颯に優しくされると、もう全てを言ってしまいたくなる。


(颯……赤ちゃんできたんだよ)

「颯、大丈夫だから……私、仕事いかなきゃ」

「俺が、行かせられると思う?」

颯は、内線電話で千歳にすぐに連絡を入れる。そして受話器を置くと、すぐに私の横にしゃがみ込んだ。

「美弥……昨日もこんな感じだった?体調悪いなら、連絡くれたら、その場所まで迎えに行ったんだけど……俺、会議って、言ってたから遠慮した?」

「違っ……」

「今日は、仕事早く切り上げて、病院連れて行ってやるからな」

私は、首を振った。
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