続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「喧嘩?……外まで聞こえてたわよ」

実花子が、怪訝な顔をしている。

「……もう、終わったので、失礼します。あと実花子さん、今日体調が悪いので、有給取らせてください」

「え?……それはいいけど」

私は、手提げ鞄を抱えてドアノブに手をかける。
「待てよ!」

もう振り返れない。私の瞳からは涙が落っこちる寸前だからだ。

「颯、悪いけど、星川社長との打ち合わせの時間があるから……」

遠慮がちに実花子の声が、静かに響く

「くそっ!美弥、後で連絡するからな!」

振り返りもせず、返事もしない私に苛立ったのか、颯がゴミ箱を蹴ってひっくり返す音を聞きながら、私は副社長室を後にした。
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