続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「本当にこのまま、星川建設の御令嬢の麻美ちゃんと結婚したら、どうしようかと内心焦ってたけど、まさか、颯が、あんな女に、本気になるなんてね」

「もう一回いえよ」

俺は、握りしめた拳を、更に力を加えて握る。

「何?あんな女?何度でも言えるよ」

思い切り振り下ろした拳は、麗夜の頬を捉える前に、千歳の掌で受け止められた。

「北沢っ!邪魔すんなよっ!」

「副社長、感情的になられても、物事は、前には進みませんので」

麗夜が、紺色の瞳を千歳に向ける。

「いいね、君が、あの一課を引っ張ってる北沢千歳課長だね。ロスでも噂は聞いてるよ」

千歳は、俺の手を麗夜から、強引に振り解く。

「単刀直入に申し上げますが、専務のお望みをお伺いしても宜しいでしょうか?綾乃の事が、本当にお望みな訳ではないでしょう」

「そうだよ。あんな何も持たない女に、興味なんて一つもない」

千歳が、奥歯を噛み締めるのが分かった。

俺も辛うじて我慢しているが、人を小馬鹿にした様な麗夜の態度に、抑えが、どこまで持つかわからない。

「何?兄に向かって、その目……」

麗夜が、近づいてきて、俺の胸ぐらを掴むと、今度は、俺が壁際に胸元ごと押しつけられた。
華奢な身体付きからは、想像できない馬鹿力だ。

「……っ……離せ、よ」

「専務、副社長から手を離して頂けますか?」

千歳が、麗夜の腕に手を掛ける。
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