続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「……美弥と何話したんですか?」

自分でも驚く程に低く掠れた声だった。

「……それは、安堂社長から口止めされ」

「いい加減にしろよっ!」

俺は、ステンレステーブルに拳を叩きつけた。和志の顔が、あっという間に引き攣る。

「親父から何言われてるのか知んないけど、その条件、全部、俺が飲むんで、知ってる事今すぐ、全部話して貰えますか?!」

和志は、固く唇を噛み締めている。

俺は、苛立つ気持ちを抑えるように拳を握りしめた。

「だんまりですか?今、安堂不動産の経営権持ってんの僕なんで、顧問弁護士に連絡して、今すぐこの工場買収しますね。明日から、あなた達家族や従業員が路頭に迷うことになりますけど、仕方ないですね」

俺は、和志に見せつけるように顧問弁護士の名刺を取り出すと、それを見ながらスマホに番号を入力していく。そして、液晶画面に浮かんだ番号をタップしようとした時だった。

「ま……待ってください……」

か細く和志の声が聞こえてくる。

「10秒しか待たない」

和志は、唇を噛み締めたまま、黙って立ち上がると鍵付きの引き出しから、書類の控えを俺の前に置いた。

俺は、すぐに書類に目をとおして、愕然とする。

「嘘だろっ……」

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