続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
俺は、安堂不動産本社の地下駐車場に乱雑に車を停めると、エレベーターで最上階まで上がる。

(あの、クソ親父!)

そして、迷わず社長室の扉を開け放った。

扉を開けばすぐに、デスクに長い足を組みながら、悠々と座っている康二と目が合う。

「ノックぐらいしたらどうだ?」

俺は、返事もせずに、和志から奪い取ってきた、書類をデスクの上に叩きつけた。

康二が、めんどくさ気に、大きなため息を吐き出した。

「……はぁ……つかえない男だ。もうお前にバラすとはな……」

「こんなことして、タダで済むと思ってねぇよな?」

「親に対して随分な言い方だな、颯」

康二の切長の瞳が、俺を射抜くように見る。

「アンタなんて、親だと思ってねぇよ!こんな真似して、美弥を傷つけて、俺と別れるように仕向けるなんてなっ!」

「はっ、感謝して欲しいくらいだな。あんな女じゃ、お前の隣は到底務まらない。お前が、あの女をさっさと愛人の一人にしていれば、俺がこんな手間を取らされる事もなかったんだがね」

唇を引き上げながら、康二が、ゆるりと笑った。

こんな奴と血が繋がっていることに、今日ほど胸糞悪いと思った事はない。俺は、殴りつけてしまいそうな衝動をなんとか抑え込む。
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