続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜

『そんなんじゃ、足元掬われますよ』

北沢の言葉が、頭に浮かぶ。

だな、美弥のためにも、何がなんでも、結果をだす。目下は、アウトレットモールのオープンと新規事業のシステムキッチンの販売、開発に力を入れなければならない。

俺は、先程、打ち合わせをしていた、アウトレットの横に併設するシステムキッチンの展示場の設計見積もり書を取り出す。


ーーーーその時だった。


「え?」

自分の座るテラスの反対側の道路側に、見覚えのある、社用車の白いベンツが停まり、運転手が扉を開けて、長身の髭面の男が出てくる。

(親父?)

ーーーー何でだ?実花子から貰った社長の予定表では、午後からは、星川社長とゴルフの記載になっていた筈だ。

康二は、そのまま、道路沿の喫茶店の前で立ち止まる。

(待ち合わせ?)

見れば、喫茶店の扉の前で、白髪混じりの50代程の男性が、康二に何度もお辞儀を繰り返している。男性は、チノパンにスウェット姿で、その服装から、康二の仕事関係の打ち合わせ相手には、とても見えない。

(誰だ?)

何度もその男性を見るが、やはり見覚えは、ない。

二人は、そのまま、喫茶店の中に吸い込まれていった。
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