続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
その途端に、涙は落っこちていく。

怖かった。怖くて怖くてたまらなかった。

千歳が来なかったら、どうなっていたのか考えただけでも、体がまた震えてくる。

「ごめん」

千歳が、ハンカチを私に差し出しながら、悔しそうな顔をしている。

「ううん……私がいけなかったの。颯から、麗夜さんに近づかないように言われてたのに……まさか、あんなこと……されると思わなくて……」

千歳の両腕が、私に向かって伸びてきて、すぐに引っ込められる。そして、千歳は両手をぐっと握りしめたまま、膝の上に置いた。

「……颯先輩が、居ない時は、僕が、美弥守るって、颯先輩と話したばかりだったのに、気付くのが遅くて、ごめん……」

「え、そう……だったの?」

千歳は、私からハンカチを取り上げると、ハンカチの隅で、目尻をそっと押さえた。

「……うん、この間の罪滅ぼしって言うかさ、……美弥とは、恋人になられなくても、大事な、僕の幼なじみには変わりないからさ……」

「千歳くん……ありがとう」

「お礼言われると困るな。この間、その、俺も専務と同じコト、美弥にしようとした訳だし。本当、ごめんっ」

千歳が、机につきそうになる位に頭を下げた。
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