続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「や、やめてよっ。千歳くん。あの、この間のこと……もう気にしてないから。大丈夫だから」

「あの時は、怖がらせて、本当にごめんな」

私は首を振る。

千歳だけが、悪い訳じゃない。

幼なじみとしての居心地の良さに甘えて、部屋まで着いて行った私が一番悪い。そして、そもそも颯を信じきれなかった、私にも大いに非があるのだから。

「さっきは、千歳くんが、来てくれなかったらどうなってたか分からないから。本当にありがとう」

私は、ようやく、顔を上げて千歳を見ながら、微笑んだ。

千歳が、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
小さい頃から、いつもこうやって悲しいことがあると千歳が、慰めてくれた。

「美弥が、笑うとほっとする。次からは、専務から何か言われたら、必ず僕に言ってね。同席するから」

「うん、そうする」

「あと、さっきのコト、颯先輩に報告するけどいいよね?」

「あ、私から颯に言うから……大丈夫」

千歳が、二重瞼を険しそうに細めながら、首を傾けた。

「本当?美弥、ちゃんと颯先輩に言える?」

「……言える、と思う」

「颯先輩、キレると思うけど?」

「颯、キレるかな?」 

「キレるどころか、暴れるんじゃない?美弥の事になると、颯先輩、周り見えなくなるから」

そう言われてしまうと、返答に困ってしまう。
 
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