続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「颯、お仕事切り上げて大丈夫なの?」

「ん?……あぁ、今日は、さすがにこれ以上は、仕事になりそうもないから、美弥と帰ろうと思ってさ」

颯は、私の鞄を取り上げて、自分のビジネスバッグと一緒に右手で持つと、左手は、私の掌を握った。

「颯……まだ会社だよ、誰かに見られたら」

「見られたら、明日社内で、公式発表するだけ」

颯は、当然とばかりに顔色ひとつ変えない。

「えっと……」

(麗夜さんとの事、いつ言おう)

颯から一緒に帰ろうと、パソコンにメールが入ったのは、15分前だ。

そばにいた千歳にもメールを入れてたんだろう。私がメールを読み終わる頃には、美弥は、上がってね、と言われ、着替えて更衣室を出て壁際を見れば、颯が、壁に(もた)れていた。

「これじゃあ、幼稚園のお迎えみたいだよ……」

「お迎え好きだろ?」

きっと、颯は、私が麗夜に何かされないかどうか心配して、こうやって守ってくれているのだと思う。

それなのに、私が、麗夜と2人で会った上に、襲われそうになったなんて、颯が知ったら、私は颯が怒らないように上手く説明できるだろうか。

守られてばかりじゃなくて、自分自身も強くなりたい。今は、颯の隣に似合う女性でなくてもいい。でも、少しでも颯の負担にならない為に、何があっても毅然と振る舞える、強い女性になりたい。
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