続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「へぇ、さっき僕とのキスは、凄い勢いで拒んだのに、颯とは嫌がらないんだね、よく手名付けられてる」
慌てて、颯から唇を離して、見れば、地下駐車場のエレベーター前で、自動販売機に身体を預けた麗夜が立っていた。
「は?何つった?」
「颯っ」
思わず、私は、颯の腕をぎゅっと捕まえた。それと同時に、颯の瞳の色が変わる。今此処で、颯に、この人を殴らせる訳にはいかない。
「離せ、美弥っ!」
「大丈夫、何にもされてないからっ」
麗夜は、自動販売機から、体を起こすと、颯の目の前に、目線を合わせて立った。
「本当に何もしてねぇよな?!」
「心外だな、人の親切を。これ、綾乃さんの忘れ物」
麗夜が、スラックスから、私のスマホを取り出した。
(手提げ袋に入ってるとばかり思って、気がつかなかった……いつの間に……)
颯が、ふんだくるようにして、私のスマホを麗夜から取り上げる。
「美弥、コイツと二人で会ったのか?」
突き刺すような麗夜への視線はそのままに、颯が、静かに言葉を吐いた。その低い声に、どきりとする。颯の怒りを含んだその声に、私は、言葉が、出てこない。
「んー、大した事してないよ。専務室で二人きりで広告モデルについての話しただけ……あ。胸元のボタンは一つ、二つだけ開けたかな。しっかし驚いたな、あんなに跡つける位、颯のお気に入りなんだね」
ついに振り上げられた颯の拳に私は、両手で必死にしがみついた。