続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「美弥っ!」

「ダメだよっ!颯に殴らせるのが、目的だからっ」

麗夜が、笑みを溢すと、防犯カメラを指差した。

「うーん。バレてた?安堂不動産の副社長が、暴力沙汰とか、マスコミの恰好のネタになると思ったんだけど、残念……じゃあまた明日ね、副社長、綾乃さん」

麗夜は、私達の横をすり抜けると、エレベーターに乗り、扉を閉めた。

二人きりになり、私は途端に、動悸がしてくる。颯は、勿論、拳を握りしめたままだ。

「颯……あの」

颯は、私の手を掴むと、何も言わないまま、車のロックを解除して、私を助手席に放り込んだ。そして、颯もすぐに運転席に乗り込む。いつもなら、すぐにエンジンをかけるのに、颯は、エンジンもかけず、シートベルトも閉めようとしない。

「見せろ」

颯の怒りを含んだ低い声に、体が、ビクンと跳ねた。

「……やだ……」

「いい加減にしろよ」

颯が、ネクタイを緩めて、覆いかぶさってきたと同時に、助手席のシートのレバーが引かれて、後部座席の方までシートが、ガクンと倒れる。

「やっ……颯っ!」

咄嗟に颯の胸元を押し離そうとするけど、すぐに手首を掴まれて、頭の上で固定される。

「颯……やめて」

「見たら、やめてやる」

颯は、片手であっという間に、首元まで私のニットを捲り上げると、唇を噛み締めた。

麗夜に付けられた、真新しい鎖骨下のキスマークのせいだ。
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