続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「美弥は、悪くないだろ。俺が、自信ないだけ。ごめん」

「颯?自信……?」

いつも自信たっぷりで、独占欲剥き出しで、弱音を吐く颯なんて、見たことがなかったかも知れない。

「美弥守りながら、ちゃんと副社長の仕事こなしていけんのかな……マジで情けねぇよな……美弥に何かされると思うとさ、こんだけ美弥に痕つけても、心配で堪らなくなる。いつか美弥が居なくなりそうで……」

颯は、コツンと額をくっつけた。

その時、私は、ようやく気づく。

ーーーー颯の癖に。
颯は不安な時に、こうやって額をくっつける事を……。

「どこにもいかない……颯のそばがいいの」

私は、颯の頬に触れると、そのまま、近づいてきた颯の唇と重ねた。颯の不安を少しでも貰ってあげたい。

何度か触れ合った唇を離すと、名残惜しそうに、颯が、私の下唇だけ、もう一度、唇で、喰むように軽く触れた。

「……約束な、どこにも行くなよ」

「行かない、颯の側にいる」

本当は、行かないんじゃない、多分もう何処にも行けない。颯に魔法をかけられてから、颯に夢中だから。颯しか見えないから。頷いた私から、離れると、颯がようやくエンジンを掛けた。

「なんかさ……ほっとしたら、急に腹減ったな」

颯が、頭を掻きながら、ちらりとこちらを見る。

「うん……お腹ペコペコ……」

颯が、切長の瞳を細めて、ふっと笑った。

「ラーメンでも食いに行く?」

「うんっ」

颯が、私の髪の毛をくしゃくしゃ撫でると、いつものように口角を上げた。
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