続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「ミャー、ただいま」
「ミャー、ただいまー」

颯が、私の真似をしながら、いつものように玄関扉を開ける。

トトトッと駆けてきたミャーを抱き上げると、私は、頬擦りする。颯が私が抱き上げているミャーの額を数回撫でて、目を細めた。

「俺、風呂場いってくるな」

「うん、ありがと。ミャー遅くなってごめんね」

ミャーは、目を三日月にしながら、ゴロゴロと甘えて来る。そのままリビングに向かい、ミャーのご飯の入れ物を洗い直してキャットフードを入れて、お水を交換していく。

いつも私がこうしている間に、颯がお風呂場に行き、お湯を溜めてくれる。颯と暮らすうちに、一緒に帰宅した時は、いつの間にかこんな風に役割分担するようになっていた。

「美弥ー。入浴剤、どれにする?」

(あれ、今、颯、入浴剤?って言った?)

いつもは、颯が適当に選んで入れてくれるのに、今日は、私に聞くなんて珍しい。

私が、お風呂場の半開きになっているドアを開けると、颯が入浴剤の箱を持って待っている。

「え?どれでも良いよ?」

「美弥が決めて」

颯は、入浴剤の入った箱を洗面台に置くと、後ろから、私を抱きしめた。

「颯っ……ど、したの」

大きな横長の鏡越しに颯と目が合って、私は、慌てて、視線を入浴剤に戻す。
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