続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
ーーーープルルルル。
目の前の内線が、光り手を伸ばしかけた掌を私は、一瞬止める。内線番『005』専務室からだ。
(麗夜さんだ)
あの日以来、麗夜は、私を仕事中に呼び出すこともなければ、通路ですれ違っても、こちらを見ようともしなかった。
私の戸惑っている様子に気づいた麻美が、小さな声で、「課長、席外してるし、私出ようか?」と囁いた。
私は、小さく首を振ってから、一呼吸して受話器を上げた。
「はい、もしもし綾乃です」
『あ、もしもし、僕だけどね、綾乃さんに聞きたいことがあって』
受話器から聞こえる麗夜の声は愉快そうだ。途端に嫌な胸騒ぎがしてくる。
「何でしょうか?」
『綾乃さんさ、モデルの木野英玲奈って知ってる?』
私は、その名前に見覚えも聞き覚えもあった。
コンビニにバイトをしていた時、入荷してきた、雑誌を陳列しながら、何度もその名前と表紙を飾る綺麗な女の子を見たことがある。
「木野……英玲奈さんって……20代ファッションブランド雑誌『ORION』の専属モデルですよね?」
『さすが、もとコンビニ店員だけあるね。正解だよ』
目の前の内線が、光り手を伸ばしかけた掌を私は、一瞬止める。内線番『005』専務室からだ。
(麗夜さんだ)
あの日以来、麗夜は、私を仕事中に呼び出すこともなければ、通路ですれ違っても、こちらを見ようともしなかった。
私の戸惑っている様子に気づいた麻美が、小さな声で、「課長、席外してるし、私出ようか?」と囁いた。
私は、小さく首を振ってから、一呼吸して受話器を上げた。
「はい、もしもし綾乃です」
『あ、もしもし、僕だけどね、綾乃さんに聞きたいことがあって』
受話器から聞こえる麗夜の声は愉快そうだ。途端に嫌な胸騒ぎがしてくる。
「何でしょうか?」
『綾乃さんさ、モデルの木野英玲奈って知ってる?』
私は、その名前に見覚えも聞き覚えもあった。
コンビニにバイトをしていた時、入荷してきた、雑誌を陳列しながら、何度もその名前と表紙を飾る綺麗な女の子を見たことがある。
「木野……英玲奈さんって……20代ファッションブランド雑誌『ORION』の専属モデルですよね?」
『さすが、もとコンビニ店員だけあるね。正解だよ』