続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「美弥さんは、うちで働いてるんだね」

「……はい」

「会社に貢献してくれるのは有り難いが、何も持たない君に、颯の隣は、相応しくないよ」

「何だよそれっ!!いい加減にしろよっ!黙ってきいてりゃ、偉そうに!アンタなんて親だと思ってねぇからっ」

「颯っ」

颯が、私の手を痛いほどに握りしめる。

「美弥と居られない位なら、副社長なんてクソくらえだ」

「そうか……なら、副社長を退くか?」

康二は、僅かに目を見開いた颯と視線を合わせる様に目の前に立つと、ニヤリと笑った。

「今夜、麗夜(れいや)がロスから帰国して、安堂不動産本社の専務として着任する。意味わかるな?」

(麗夜……?)

「……何だよそれ。散々、俺が、会社の金の筋道作って、デカくして、システムキッチンの新規事業も立ち上げて、軌道に乗せようって時に、何でアイツがでてくんだよっ」

「義理だが、息子は息子だからな。颯、自惚れるなよ、俺には息子はもう1人いる。言う事を聞かないなら、より、役に立つ方を選ぶまでだ。今日は、それを伝えたかった」

康二は、そのまま私に視線を向けると、薄く笑った。

「美弥さん、お邪魔しました。では、また会社で」

見送りをしようとした、私を颯がグイと引き寄せる。

「美弥、ほっとけ」

「でも……」

もう一度振り返った時、康二の姿はすでになく、玄関扉が静かに閉まる音がした。
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