続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「どうしよう、颯。何か、分からないけど……すっごくモヤモヤするの……」

思わず、俺は、口元を掌で覆っていた。

美弥は、性格的なものだろうけど、あまり感情を激しく面にだすことはない。せいぜい、俺が意地悪しすぎて、拗ねたり、不貞腐れたりする程度だ。

そんな美弥が、たかが、ワイシャツのキスマークと、頬のキス位で、ヤキモチを妬くなんて、考えた事もなかった。

俺は口角が上がりそうなのを、必死で堪えながら、美弥を覗き込んだ。

「なぁ、何でモヤモヤすんの?」

「え?それは……」

美弥が、首を捻っている。

「ゆっくり考えていいから」

俺は、やっぱり口角があがる。美弥は、先ほどの俺との会話を思い出しながら、腕組みした。

「うん……何だろ……颯がね、その、お姫様みたいな子に……えっと……」

「俺が?英玲奈に?」

ふと、美弥の大きな瞳が、更に大きくなった。

俺は、美弥が、おそらく生まれて初めての感情を知った事にニヤけてしまう。

(やば。たまんないな)

美弥は、小さな唇を少し窄めると、気まずそうにして、俺から視線を逸らした。
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