【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
最近は、気が抜けているのか明らかに言い間違いも増えてきました。
どうやら、レンティル様はバレていないと思っているようですが、流石にバレバレです。

それにしてもレンティル様は何かに例えて褒めることが好きなようです。

わたくしはニッコリと微笑みました。

最初からそうでしたが、この人に一ミリも興味が湧かないのです。
けれど貴族の結婚とはそういうものらしいわよと、姉に聞いたことがありました。


「君と居ると心が洗われるようだ」

「……そうでしょうか?」

「ああ、そうとも!」


そう言ってレンティル様は私の頭を優しく撫でました。
恐らくレンティル様は、わたくしを子供扱いしているのでしょう。
確かに十も離れているので、そう思われても仕方ないかもしれません。

わたくしに手を出してはいけないという約束はしてますが、女性としては余り意識されていないようです。
わたくしもレンティル様を男性として意識することはありません。

上辺だけのお付き合いとは虚しいものです。

それでも結婚式の日は近付いていきます。
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