【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「この子とはすぐに"婚約破棄"するから待っててくれって言ったでしょう……!?」
「……っ、シャーロット!それは今、言わない約束だろう!?」
「婚約破棄……?」
わたくしがシャーロット様の言った事を復唱すると、レンティル様は更に顔を青くさせました。
今の今迄、わたくしはレンティル様と結婚式の準備を進めていました。
婚約破棄の話などレンティル様の口から今まで一度も出てきていません。
全くの初耳です。
一体、どういうことでしょうか。
シャーロット様とレンティル様のやっていることと、言っている事が噛み合いません。
「違う、リディア、あのっ、聞いてくれ……!」
レンティル様は慌てた様子で首を振ります。
シャーロット様は我慢出来なくなったのか、わたくしに掴みかかろうとしています。
「貴女さえいなければ……ッ!」
「あの」
「っ、私がレンティルと幸せになれたのに!!」
どうやらシャーロット様は、わたくしの存在が相当気に入らないようです。
レンティル様は、今にも殴りかかりそうなシャーロット様を落ち着かせようと、必死で抑えています。