【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
頭が真っ白になって、何も言葉が出てこなかった。

カサンドラは拳を握りしめていた。
喉の奥が痛くなるほどに怒りが込み上げてくる。

そもそもエイヴリーの婚約者はカサンドラの筈だ。
エイヴリーは、まるで古い服を捨てるかのように、カサンドラと婚約破棄をしようとしているのだろうか。

そんなカサンドラを見て、クスクス笑うヘイリー。
カサンドラはヘイリーを思いきり睨みつけた。

へイリーの余裕たっぷりの笑顔が、悔しくて悔しくて堪らなかった。
まるで私の方が上なのよ……そう言われているような気がした。


「わたくしを、愛していると……言ったではありませんか!」

「……ああ、確かにな」

「何故ッ!何故裏切ったのですか!!」


震える声で言ったカサンドラにエイヴリーは溜息を吐く。
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