【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
そんな時、隣国からネストールが留学してきた。
ヘレンは昔からネストールを知っていた。
冷静で思慮深く警戒心が強いネストールが、ノエリアを一目で気に入り好意を寄せていた。
そしてノエリアも密かにネストールを気にかけている事は直ぐに分かった。

そんな2人を見ているとヘレンは胸が締め付けられるような気がした。
もしもネストールとノエリアが結ばれたら‥そう考えずには居られなかった。


そしてネストールが隣国へ帰った後、ラランド公爵夫人が亡くなったのをキッカケに何もかもが壊れていった。

ノエリアの顔は日に日に曇るばかりだった。
突然現れたレイチェルはノエリアの事を貶めながら、ノエリアから何もかもを奪っていった。

ヘレンもレイチェル達には目に余るものがあるから報告しにいこうとしたが、ノエリアは事を荒立てたくないと黙認していた。
思えばこの時ノエリアは分かっていたのだ。
父と母に取り合ってもらえない事に。

レイチェルがホールデンの側に居るようになると、ホールデンの言動は自信溢れる傲慢なものに変わっていった。
レイチェルの甘い言葉に懐柔されたホールデンはどんどん悪い方向へと向かっていく。

それはもう洗脳に近いのかもしれない。
調和の取れた関係はあっという間に壊れていった。
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