【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「知っていたよ」

「!!」

「‥なんて言ったら、意地悪になるのかな」「‥‥いいえ。わたくしは、ずっと貴方の手を取りたかったのに嘘をついて、貴方を拒否していました」

「それも知っていたよ?」


ネストールは優しくノエリアに微笑みかける。

ノエリアの瞳から止めどなく涙が零れ落ちる。
それは悲しみの気持ちからではない。


「ノエリア‥君が無事で本当に良かった」


ネストールはそっとノエリアの肩に手を置いて抱き締めた。
優しい熱はノエリアの苦しみと哀しみを溶かし、癒やしてくれる。


「っ、ありがとうございます‥ずっと、わたくしを見ていてくれて!」

「‥‥ノエリア」

「全てを捨てて、僕と共に生きてくれる?」

「勿論です」

「‥‥!」

「わたくしでよけれは喜んで‥!」
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