【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
(ホールデンside)



ホールデンには完璧すぎる婚約者が居た。
最初は誇らしかったが、次第に疎ましく思うようになっていった。

ノエリアとの関係は公務でしか話さない詰まらないものとなっていった。

父であるカリ国王は、ノエリアにばかり目に掛けて、母であるテーラはノエリアをとても可愛がっていた。
ノエリアを褒め称えて、ノエリアが婚約者で良かったと何度も何度もホールデンに言うのだ。

しかしホールデンには厳しく接して、怒ってばかりいる。
その事が不満で仕方なかった。

昔からノエリアに対してコンプレックスを持っていた。
完璧な婚約者などホールデンにとっては邪魔なだけだった。

ホールデンはいつも取り残された気持ちで居た。
完璧なノエリアに置いていかれて、悲しかったのかもしれない。
全てノエリアに任せて投げやりになってしまう程に‥。

そして自分の母親が亡くなったのにも関わらず、ノエリアは涙を流さずに静かに受け入れていた。
そんなノエリアを恐ろしいとすら思っていた。


そんな時、ホールデンの前に女神のように現れたのがレイチェルだった。
ふんわりと花のように可愛らしいレイチェルは冷たいノエリアとは違い、ホールデンの全てを受け入れてくれた。

ホールデンは、ありのままで素晴らしいのだと認めてくれるのだ。
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