【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「もう書類には国王陛下のサインが押されている頃かしら……」

「ミネルヴァ!!聞いているのか!?」

「はい、聞いておりますわ…………それよりもアンバー様が震えておりますわよ」

「アンバー……!?」


どうやら今回の事だけでなく、バレたくない事が他にもあるようです。
王妃殿下に報告しなければと考えを巡らせていると、背後に立つ黒い影……。
しかし周囲は誰もその事に気付いておりません。


「ガルグ殿下……皆様が気付いておりませんので、お声を上げた方がよいかと」

「…………そうなのか?」

「「「「「!!?」」」」」


顔面や手には無数の傷……いつも真っ黒な洋服に身を包んでいる男性の手には二枚の紙が握られています。


「あら……わざわざ書類を届けて下さったのですか?」

「急いだ方がいいと言われたからな」
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