【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「それと……たった今、コーディとミネルヴァの婚約は破棄された」

「……!!」

「今この瞬間から、ミネルヴァは私の婚約者となる」

「ーーーッ!?」

「それと同時に王太子の座も失う事になる」


ざわざわと周囲は騒がしくなりましたが、ガルグ殿下が手を上げると、すぐに静まります。
そんな中、弱々しいコーディ殿下の声が響きます。


「う、嘘だ……っ!」

「嘘ではない」

「だって、だって……兄上は王位継承権を破棄したじゃないですか!?」

「あぁ……そうしようと思っていたが、父上がそれを許さなかった」

「……!!」


それを聞いて愕然としているコーディ殿下はその場に膝を突きます。
しかしアンバー様が前に出て問いかけます。


「ッ、どういう事ですか!?」

「……国を任せるに値する器か、ずっと試されていたんだ」
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