【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「ミランダ様、もう宜しいでしょうか?わたくし忙しいので失礼させて頂きたいのですが…」
「……だからッ、まだ私が話しているでしょう!?」
「そのような言葉遣いは如何なものかと……マスング公爵夫人の前ではマナーを身につけて居ないと…」
それにしても立場を弁えないミランダ様が逆に心配になってしまいます。
そんな時でした。
遠くから足音が聞こえます。
「ミランダ……!」
「バレットさまぁ!」
瞬時に態度を切り替えたミランダ様は、どこからか絞り出した涙を流しながら、軽く肩を揺らしています。
「わ、わたし……ヴァレンヌ様に申し訳ない事をしたって謝っていたんですけどっ!でもヴァレンヌ様が私の話を全然聞いてくれなくてぇ」
「ヴァレンヌ…!ミランダにそのような事を…っ」
「……全く違いますわ。卒業パーティーに新しいパートナーをと言われたので、御心配なくと返していただけです」