落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 リンレンの言葉に振り向くと、ヴィーは首を傾げた。
「それは、ここで新しい店を開くということか?」
「そうです。パトリシアのアミュレット店と僕とホミの薬草茶店。ふたつを合わせたお店の名前なんですけど」
「ほう! いいじゃないか。俺も一緒に考えよう」
「ありがとうございます。王様が命名者になってくれれば、新装開店時にも箔が付きます」
 箔が付く、と言われ、ヴィーは上機嫌になった。
 それから、私たちは頭を悩ませ、各々名前を考えた。
 どれもよい名前だったけれど、中でも、一番しっくり来たのがヴィーの考えたものだ。その名も……。
「陽だまり雑貨茶房。いいですね。響きが特に」
「うんっ! 可愛いよね」
「みんなが集まれる温かい場所、そんなイメージですね!」
 リンレン、ホミ、私が順番に褒めると、ヴィーは照れくさそうな顔をした。そして、赤い顔のまま言った。
「俺のパトリシアに対する印象だ。温かく優しく、まさに天から差し込む黄金の陽だまりのよう……な、なんだ、ホミ? 変な目をするな。リンレンも!」
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