落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「あっ、ごめんね、パトリシア。そんなに深く考えないで。願いが叶わなかったって、それはそれで仕方がないって思ってる。だから、手作りの小物を贈ると思って作ってくれればいいから」
「マゴットさん……ありがとうございます。少し気が楽になりました。でも作るからには全身全霊で願いを込めますよ! 任せて下さい」
私は胸を張った。願いが叶わないかもなんて、考えちゃいけなかった。
アミュレットの作り手は、いかなる時も冷静に、全力で願いを込めるべきである。と、ライガンがよく話していた。その教えを守っていたつもりだけど、ここで弱音が出るなんて、私もまだまだ修行が足りないわ。
改めて気合を入れ直すと、早速アミュレット作りに取りかかる。マゴットに見つめられて少し緊張したけれど、集中して願いを込めた。
『どうか、トネリとマゴット夫妻に、可愛い赤ちゃんが授かりますように』
と、一心不乱に願いを繰り返していると、やがて、周りの物音もマゴットの視線も全く気にならなくなった。静かな時の流れの中で、私はさくさくとアミュレットを編む。すると、いつの間にかアミュレットは出来上がっていた。顔を上げると、ホミとトネリが覗き込んでいる。どうやら、ふたりの帰宅にも気付かなかったらしい。
「マゴットさん……ありがとうございます。少し気が楽になりました。でも作るからには全身全霊で願いを込めますよ! 任せて下さい」
私は胸を張った。願いが叶わないかもなんて、考えちゃいけなかった。
アミュレットの作り手は、いかなる時も冷静に、全力で願いを込めるべきである。と、ライガンがよく話していた。その教えを守っていたつもりだけど、ここで弱音が出るなんて、私もまだまだ修行が足りないわ。
改めて気合を入れ直すと、早速アミュレット作りに取りかかる。マゴットに見つめられて少し緊張したけれど、集中して願いを込めた。
『どうか、トネリとマゴット夫妻に、可愛い赤ちゃんが授かりますように』
と、一心不乱に願いを繰り返していると、やがて、周りの物音もマゴットの視線も全く気にならなくなった。静かな時の流れの中で、私はさくさくとアミュレットを編む。すると、いつの間にかアミュレットは出来上がっていた。顔を上げると、ホミとトネリが覗き込んでいる。どうやら、ふたりの帰宅にも気付かなかったらしい。