落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「素敵なお嫁さんが欲しいですっ!」
「よめ……」
「お嫁さん……」
 一瞬静かになった店内に、コトンとカップを置く音がする。
「ふうん。出会いが欲しいのね。ブラウンさん」
 薬草茶を出し終えたホミは、うんうんと訳知り顔で頷いた。
 ブラウン? 聞いたことがあるようなないような……あ、そうだ!確か近所に住んでいる人だわ。
「うんホミ、そうなんだ。僕は木こりだから、女性に出会う機会がほとんどなくて。そんなこんなですっかり婚期を逃してしまったんだ」
「木こりだと出会いがないのか?」
「はい王様。朝から晩まで山に籠ってばかりですからね。それに、しがない木こりなんて魅力もないでしょ? 警備隊のファルみたいな男ならモテるのだろうなあ」
「ファル?」
 ヴィーは首を傾げたけれど、私はなんとなくわかる気がした。幻獣を除いた獣人の中では最強格の獅子、ライオン。ファルはその獣人である。見ためも強そうだし、これは女性が放っておかないな、と思っていたのだ。
 とはいえ、目の前のブラウンも愛嬌があっていいと思う。可愛い系が好きな人には高確率で刺さるはずだ。
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