落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
しかし、そんなこと考えてはいられない。私の使命は、バーディアのために働くことなのだから。そう気持ちを立て直すと、先を行くアレンを追いかけた。
大隊長アレン率いる三十名の小隊は、意気揚々と戦に向けて出発する。その最後尾を、私は遅れないように必死で付いていった。小隊の後方十名ほどは、正規兵ではなく、庶民から徴兵された民兵のようで、明らかに不満げだ。声には出さないけど「どうして俺が」という顔をしている。
王都を出て、街道を行き、道なりに進むと、やがて鬱蒼とした大きな森が見えて来た。まだ昼間であるのに、森の周辺には霧が立ち込めていて、暗く見通しが悪い。アレンは森の手前で隊を止め、号令をかけた。
「では五人一組で森に侵攻する! 今日こそは、幻獣の国の入り口を見付けるのだ。また奴らが邪魔をしてくるかもしれないが、返り討ちにしてやれ!これ以上、陛下と神官長様をお待たせするわけにはいかぬからな。それでは出発!」
号令と共に、兵士と後方の民兵たちは森へと消えていった。私は森の端付近での待機を命じられ、しばらくひとりで待つことになった。
大隊長アレン率いる三十名の小隊は、意気揚々と戦に向けて出発する。その最後尾を、私は遅れないように必死で付いていった。小隊の後方十名ほどは、正規兵ではなく、庶民から徴兵された民兵のようで、明らかに不満げだ。声には出さないけど「どうして俺が」という顔をしている。
王都を出て、街道を行き、道なりに進むと、やがて鬱蒼とした大きな森が見えて来た。まだ昼間であるのに、森の周辺には霧が立ち込めていて、暗く見通しが悪い。アレンは森の手前で隊を止め、号令をかけた。
「では五人一組で森に侵攻する! 今日こそは、幻獣の国の入り口を見付けるのだ。また奴らが邪魔をしてくるかもしれないが、返り討ちにしてやれ!これ以上、陛下と神官長様をお待たせするわけにはいかぬからな。それでは出発!」
号令と共に、兵士と後方の民兵たちは森へと消えていった。私は森の端付近での待機を命じられ、しばらくひとりで待つことになった。