落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
私の体をオーブが包み、すーっと中に入ってくる。ひんやりと冷たいオーブは、火山にいるのも忘れてしまいそうなくらい気持ちがいい。死とは、こんなに楽なものなの? なんだか呼吸も楽になっていくような……。
気のせいかと思った。けれど、違った。
オーブが体の中に入ってくるたび、生命力が溢れる。意識がはっきりし、火山の熱さが平気になった。深呼吸も出来る。
最後のオーブが私の中に入ってしまうと、体は完全に回復した。というより、なんだか前より丈夫になった気もする。入ってきたオーブがなんだったのかは不明だけれど、命を救われたのは確かだ。実は私って、ものすごく強運の持ち主なんじゃないかしら? と、少し喜んだところで、また難問に直面した。下山する術がないのだ。周りは断崖絶壁の火山の火口。いくら生命力が溢れているからって、崖を勢いよく飛び降りたら無事では済まない。標高も高いので、翼がないと下山は無理そうだ。
でも、下山したところで、この国に私の居場所はない。なら、別に……あら? なにか、黒いものが近付いてくるわ。え? なに? 隕石?
「パトリシア! パトリシアァァァァァ」
「ヴィー?」
気のせいかと思った。けれど、違った。
オーブが体の中に入ってくるたび、生命力が溢れる。意識がはっきりし、火山の熱さが平気になった。深呼吸も出来る。
最後のオーブが私の中に入ってしまうと、体は完全に回復した。というより、なんだか前より丈夫になった気もする。入ってきたオーブがなんだったのかは不明だけれど、命を救われたのは確かだ。実は私って、ものすごく強運の持ち主なんじゃないかしら? と、少し喜んだところで、また難問に直面した。下山する術がないのだ。周りは断崖絶壁の火山の火口。いくら生命力が溢れているからって、崖を勢いよく飛び降りたら無事では済まない。標高も高いので、翼がないと下山は無理そうだ。
でも、下山したところで、この国に私の居場所はない。なら、別に……あら? なにか、黒いものが近付いてくるわ。え? なに? 隕石?
「パトリシア! パトリシアァァァァァ」
「ヴィー?」