落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 頭を撫でると、キドは照れ臭そうに笑った。隣のホミが「お姉ちゃんは甘い」という顔でこちらを見ているのがなんだか微笑ましい。これは私の当て推量だけれど、キドはホミのことが好きで、なにかとちょっかいを出したいんじゃないかしら。そういうお年頃よね?
「ほら、キド。パトリシアさんに返すものがあるのでしょう?」
「はい。お母さん。あの、これ……」
 マインに促され、キドは、手に持ったものを差し出した。それは、ネコ耳ヘアバンドである。あの時、外れてしまってくしゃくしゃになっていたヘアバンドは、皺が取れて綺麗な状態に戻っていた。
「それね、もう必要ないかと思ったのだけど、大事なもののような気がしたから簡単に手直ししておいたわ。キドが強く握って傷めちゃったから。ごめんなさいね」
「いいえ、いいんです。直して下さってありがとうございます、マインさん。おっしゃる通り、これは大切なものなので。とても嬉しいです」
「ふふっ、あなたウェアキャットの耳がとても似合っていたわ。是非また付けてみてね」
 マインはにっこり笑うと軽くウインクをし、キドと共に去った。
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