落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 それにしても、ホミの言動にはいつも驚かされるわね。マセているというか、なんというか……でも、その言葉が当たらずとも遠からずだから侮れない。見た目は五歳だけど実は三十過ぎていたりして?なんて勘繰るほど鋭いのだ。
「さあ、今日はもう休みましょう。明日に備えて、ね」
 リンレンの言葉に、私とホミは頷いた。
 今日だけでいろんなことがあって、たくさんの情報を得た。命の危険もあったのに、なぜだか体の調子は頗るよいし、気力も十分。そういえば……あの白いオーブは何だったのかしら? やっぱり夢? 妄想? それとも……。
「お姉ちゃーん! 早くぅー」 
 いち早く自宅に戻ったホミが私を呼ぶ。うーん、いくら考えてもまったく見当が付かないわ。
 私は早々に考えるのを諦めて、店舗のランタンの灯りを消し戸締りを確認して、ホミとリンレンの待つ自宅に向かった。
 
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