落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「そうですね……では、ドーランの歴史とかを書いた本とか、ありますか?」
「ああ、あるぞ! 待っていろ」
すぐさまヴィーは動き出し、やがて五冊のぶあつい本を持って帰ってきた。どれも装丁が見事で、古書店にあったなら、かなりの値段が付く代物だ。
「読みやすいのはこのくらいだ。しかし、中には少し残酷な事実も書かれている。それを頭に入れておくといい」
「はい。ご忠告、ありがとうございます」
軽く頭を下げると、私は座って歴史書を開いた。最初は、ドーランの始祖、竜族の長の英雄譚だった。彼が生まれ、苦労し建国するまでの冒険譚がとても面白く書かれていて、時の経つのも忘れ読み耽ってしまった。それから二冊目、三冊目まで目を通すと、四冊目でヴィーの言っていた「残酷な事実」の書物に当たった。『幻獣戦記』というタイトルの本には、その昔、たくさんいた幻獣が人間に騙されて狩られたという内容が書かれている。狩られた竜は、皮を剥がれ翼を捥がれ、装飾品などに加工された。ユニコーンは角を折られ、その角は霊薬として高額で取引されていたらしい。
「ああ、あるぞ! 待っていろ」
すぐさまヴィーは動き出し、やがて五冊のぶあつい本を持って帰ってきた。どれも装丁が見事で、古書店にあったなら、かなりの値段が付く代物だ。
「読みやすいのはこのくらいだ。しかし、中には少し残酷な事実も書かれている。それを頭に入れておくといい」
「はい。ご忠告、ありがとうございます」
軽く頭を下げると、私は座って歴史書を開いた。最初は、ドーランの始祖、竜族の長の英雄譚だった。彼が生まれ、苦労し建国するまでの冒険譚がとても面白く書かれていて、時の経つのも忘れ読み耽ってしまった。それから二冊目、三冊目まで目を通すと、四冊目でヴィーの言っていた「残酷な事実」の書物に当たった。『幻獣戦記』というタイトルの本には、その昔、たくさんいた幻獣が人間に騙されて狩られたという内容が書かれている。狩られた竜は、皮を剥がれ翼を捥がれ、装飾品などに加工された。ユニコーンは角を折られ、その角は霊薬として高額で取引されていたらしい。