落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 呟いて、ハッとした。私が知る限り、聖属性系の攻撃魔術を使えるのはただひとり、ダルシア・ロックウェルしかいない。どんな白魔術師も敵わない「聖騎士」の称号を持つ兄。彼は治癒魔術もさることながら、光を駆使した攻撃魔術も得意だ。ダルシアの魔術なら、同じ属性を持つ私のアミュレットの効果も半減してしまう。アミュレットを持っていても、警備隊が怪我をしたのがそのせいだとすると……。
「男の容姿は、金の髪に青い瞳、白く輝く剣を背負っていましたか?」
「まさにその通り。ですが、なぜ知っているのですか?」
「私の兄なのです! きっとバーディアの国王と神官長に騙されて攻め込んで来たのだわ」
「なんですって? パトリシアの兄だとは……それに騙されたとはどういうわけですか?」
 前のめりになったティアリエスに、出来るだけ簡潔に説明をした。私を森に放置した際、ダルシアの怒りを買わないために、幻獣の王に殺されたと言う策を弄していたこと。そして、ダルシアの怒りをそのままドーランに向ける、悪魔のような計画を立てていたことを。
< 189 / 264 >

この作品をシェア

pagetop