落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
言い切るグラウニクを前に、私はそれ以上の反論をやめた。彼らとは決定的に考えが合わない、と思ったからだ。バーディア側は、いたいけな子どもを傷付けても良心の呵責がない。だからあんな酷い仕打ちが出来るのだわ。
「さて。本来なら、裏切り者には死んでもらわなくてはならないのだが……このあと聖騎士ダルシアが来る予定ならば、こちらが直接手を下したと知られてはまずいな」
「グラウニク。手足を縛って迷いの森へ放り込んでおけばよい。ドーランの民が見付けたら、奴らが殺してくれるだろう。あそこの王は人間嫌いだからな。ダルシアが来たら妹は勇敢に戦い幻獣たちに殺されたことにするのだ。きっと怒り狂ってドーランを攻め滅ぼしてくれるに違いない」
「な……正気ですか? 兄を……利用し騙すのですか?」
眼前で交わされる恐ろしい計画に、思わず叫んだ。
子どもに無慈悲なことをする人たちだから、私の身も無事では済まないだろうと覚悟はしていた。でも彼らは兄ダルシアをも騙そうとしている!
「おお、陛下。よいお考えです。全て幻獣の仕業にしてしまえば、楽ですからな」
「さて。本来なら、裏切り者には死んでもらわなくてはならないのだが……このあと聖騎士ダルシアが来る予定ならば、こちらが直接手を下したと知られてはまずいな」
「グラウニク。手足を縛って迷いの森へ放り込んでおけばよい。ドーランの民が見付けたら、奴らが殺してくれるだろう。あそこの王は人間嫌いだからな。ダルシアが来たら妹は勇敢に戦い幻獣たちに殺されたことにするのだ。きっと怒り狂ってドーランを攻め滅ぼしてくれるに違いない」
「な……正気ですか? 兄を……利用し騙すのですか?」
眼前で交わされる恐ろしい計画に、思わず叫んだ。
子どもに無慈悲なことをする人たちだから、私の身も無事では済まないだろうと覚悟はしていた。でも彼らは兄ダルシアをも騙そうとしている!
「おお、陛下。よいお考えです。全て幻獣の仕業にしてしまえば、楽ですからな」