落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 私はヴィーの腕の中からヒョイと飛び降りて、ちょうど入り口から入って来たファルを呼び止めた。ヴィーとダルシアの戦いが終わったことにより、ティアリエスが内側からの結界を完全に解いたらしく、警備隊が続々と入ってきている。彼らはヴィーと共に戦った者の怪我の介護や、荒れた森の後始末をしていたのだ。
「はい? なんですか?」
「この人間をティアリエスに引き渡してもらえますか? 出来れば交渉して情報を聞き出してほしいと」
「わかりました」
 ファルは闇の茨で拘束されたアレンを連れ、ドーランの入り口に姿を消した。
 さてと。あとはダルシアへの説明が残っているわね。アレンに邪魔されて、肝心なことが伝えられていなかったのだ。
「ダルシア。国王と神官長に私が死んだと言われましたか?」
「ああ、ドーランの王に殺されたとな」
 ヴィーの瞼がぴくっと揺れた。「そんなことするものか」と怒鳴るかと思ったけれど、意外にもヴィーは黙って私たちの会話を聞いていた。
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