落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 突然、変な自信が胸に湧き上がってきた。ホーリーシールドを作り出した時の声。あれが聞こえてから、自分の中に溢れるほどの力を感じている。それは、あの時だけじゃなく今もずっと継続中だ。
 意味がわからない風のダルシアとヴィーを横目に見ながら、両掌を胸に当てる。頭の中で、体の中を流れる力を掌に移すイメージを作り出しゆっくりと放出、そして……願う。
「迷いの森を、昔のような森に! 生態系が変わる前の豊かな森に!」
 ホミが言っていた。バーディア兵や人間が踏み荒らして、貴重な薬草アロイーズが取れなくなってしまったと。他にも、きっと絶滅してしまった生物や植物があるのだろう。それら全てを復活させたい。
 私の掌から、虹色の穏やかな光が森へと放たれる。倒れた木が、焼けてしまった草木が、次々と潤いを取り戻し生気を取り戻していく。木には今までなかった色鮮やかな実がみのり、香りのよい草もたくさん生えた。昔の迷いの森を私は知らない。でも、体の中に流れる大いなる力には、どうやらその記憶があるらしい。
「森が!……これは昔の森。俺の記憶にある豊かな頃の森だ」
 ヴィーが懐かしそうに呟き、
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