落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 ガクッと肩を落とすダルシアを見て、私とヴィーは微笑み合う。
 昨日の敵は今日の友が如く、私たち三人は揃ってドーランへと足を踏み入れたのである。

 陣営でティアリエスと軽く挨拶を交わしたのち、人型に戻ったヴィーとダルシアとで、陽だまり雑貨茶房へと移動する。そこで、今後のことや、私の力の件などを話し合うことになったのだ。
 ドーランの町の大通りを歩くと、森での揉め事がなかったかのように賑わっていた。
 ティアリエスの結界は思ったよりも強固で、住民に少しの不安も感じさせることはなかったようだ。
 だからか、行き交う人たちは、人間のダルシアを見ても不快な顔をしない。これが迷いの森を滅ぼしかけた人物だとは誰も知らないからだ。
「賑わっているな。暮らし向きはとても豊かなようだ」
「そうでしょう、ダルシア。ひと昔前のバーディアを思い出さない?」
「うん。確かに……あ、え? くれるのか私に?」
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