落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 ホミは私の後ろにいたダルシアを凝視し、リンレンも目を丸くした。私以外の「人間」がドーランにいる。しかも、あの人間が嫌いなヴィーと一緒にいるのが信じられないのだと思う。
「心配かけてごめんね、ふたりとも。ちょっと大変なことが起こっていたの」
「それは、パトリシアの後ろの方に関係あることでしょうか?」
 ちらちらとダルシアを見ながら言うリンレン。彼はダルシアの正体を測りかねているみたいだ。
「ええ、大有りよ。あ、説明が長くなりそうだから、店の中で話さない?」
「はい。それはもちろん。温かいお茶を淹れますから、どうぞみなさん、中へどうぞ」
 リンレンに促され、私とヴィーとダルシアは、店の中に入った。
 それから、テーブルを囲み、本題に入る。まず、ホミとリンレンが訝しんだ人間の正体と来た理由。 
 仕事に遅れたヴィーとダルシアとの戦い。彼らを止めようとして私が発動した強力な魔術のことを、ふたりに説明した。
「そうだったのですね。まさか、あの間にそんな大変なことが起こっていたなんて。なあ、ホミ」
「……」
「どうしたんだ? なんだか元気がないけど」
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