落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「美しい……一度乗ってみたいものだ」
 ダルシアだ。彼は馬が好きで、自身の愛馬ストレインをとても可愛がっている。動物の中で一番美しいものは「馬」だと言って譲らないのである。
「無理だと思うぞ?」
「なぜだ?」
 答えたヴィーに、ダルシアは噛みつくように尋ねた。
「ユニコーンは処女しか乗せない。本来なら男に触れられるのも嫌だと言っていたな」
「しょっ……そ、そうか……幻獣は、気難しいな」
「しょじょってなに? あたしは大丈夫なの?」
 無邪気なホミの疑問に、部屋中の男どもが黙り込んだ。ヴィーもダルシアもリンレンも、誰か説明しろと、目で擦っている。はあ、仕方ない。ここは私の出番ね。
「ホミ。大丈夫。可愛い女の子は乗せてもらえるのよ」
「ふうん、じゃあ今度乗せてもらえるかなあ」
「うん。そうだね。お願いしてみたらいいよ」
 そんな会話をしていると、人型に戻ったティアリエスが店に入ってきた。
「お待たせしてすみません。いろいろと残務処理がありまして。あ、そうそう、森の外にいた馬はあなたの友ですか? ダルシア?」
「葦毛の馬か? それなら、友のストレインだ!」
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