落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「やはりそうでしたか。外はいろいろと物騒なので、ドーラン側に入れておきましたよ。西側入口の近くの小屋にいますからご心配なく」
「おお! 助かる。迎えにいかねばと思っていたところだ」
 ダルシアは心から嬉しそうな顔をした。ストレインは、元々野生の馬で、親が狼に襲われて死に、独りぼっちだったのをダルシアが保護して育てたのだ。だから、ティアリエスの「友」という呼び方にとても好感を持ったようだ。ティアリエスも、自分と見た目の近い種族である馬を大切にし、こよなく愛するダルシアにいい印象を持っている。
「ふふ。いいのですよ。あとで様子を見にいってあげて下さい」
ティアリエスは、リンレンが用意してくれた椅子に腰掛けると、見たことのあるものを取り出した。アブロシアの手記である。
「子細は警備隊やファルから聞きました。まずは先程のパトリシアの力について検証しましょう。ダルシアの魔術を防いだ『光の盾』、それから森を再生するほどの力。その両方とも人智を超えたものです。失礼ですが、今までのパトリシアの魔力では到底考えられないのですよ。もしかして、なにか思い当たることがあるのではないですか?」
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