落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「そう考えます。なんでも出来る力を悪意がある者に持たせたらどうなります? 世界が破滅しますよね。だから森羅万象は選んでいるのだと思います。なにがあっても、絶対に悪に染まらぬ強い心の持ち主で、その力を自分の欲のために使わぬ者を」
「ええっ? そ、そんなの責任重大じゃないですか! 私には無理ですって! 大体、なににどう使えばいいのかさっぱりわからないのですから」
 世界の命運は任せた!と言われているようで私はぶるっと震えた。だってそうじゃない? 取り柄のない落ちこぼれ魔術師が、突然なんでも出来るようになったら、困惑するに決まっている。出来ることなら返却したいけど、無理かしら、ねえ……。
「そう大袈裟に考えなくてもいいんじゃないか。大いなる力は手に入れたが、使うも使わないもお前次第。好きにすればいい」
「好きに……? そんなに軽くていいのでしょうか? 大切な使命があったりとかしませんか?」
「使命? そんなものは知らん! 普段通り変わらず生きればいいのだ。ドーランの民はどんなお前でも歓迎するぞ」
「ヴィー……」
 ホミもリンレンもダルシアも、ヴィーに続いて微笑んだ。
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