落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「大丈夫ですか? すごくきつく縛られていたけど」
 ホミの兄が言った。松明に浮かび上がる彼は、十二歳くらいの少年に見えた。当然、ウサ耳も付いていて瞳も赤い。
「ありがとう、大丈夫よ。本当に助かったわ! ホミが見付けてくれなかったら死んでいたわね」
 そう言うと、ホミはもじもじと恥ずかしそうにし、キュッと私に抱き付いて来た。
「ふふっ。妹はあなたが気に入ったようですね。僕はリンレン。ドーランで妹とふたりで暮らしています。昼間、ホミを助けてくれたのでしょう? ありがとうございます。でも……どうして森に置き去りにされていたのですか? しかもあんな状態で」
「え……っと、まあ、いろいろありまして」
 と、答えを濁す。私自身思い出したくなかったし、理由を聞いたホミが責任を感じるのは嫌だったのだ。しかし、聡明なリンレンは、私の表情からそれを感じ取ったらしい。
「なるほど。なんとなくですが、事情は察することが出来ます。わかりました、もう聞きません。それで、これからどうするつもりですか?」
「ど、どうする、とは?」
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