落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「迷いの森は、常にバーディアの兵士に周囲を取り囲まれています。ここから出たら、また奴らに捕まりますよ」
「そ……そうなの?」
 森から出て、真っ直ぐライガンの小屋に帰るつもりだったのに、それが出来なくなってしまった。バーディアの兵士に捕まったら、今度は向こうで処刑されるかもしれない。
 すると、青くなって怯える私に向かって、リンレンが驚きの提案をした。
「ドーランに来て、僕たちと一緒に暮らすのはどうでしょう? あなたは妹の命の恩人ですから、なにか恩返しがしたいのです」
「えええっ? で、でもドーランは幻獣の国だし、人間とは今戦争をしていて、王様は人間が大嫌いなんじゃないの?」
「そうですね。王は人間を毛嫌いしています。だから、変装するのです!」
 自信たっぷりのリンレンの前で、私はポカンとした。変装……って、そんなに簡単に出来るものなの?
「僕たちのような獣人になら、簡単になれますよ? はい、これ」
 リンレンに手渡されたのは、ヘアバンドにネコ耳が付いているものだ。
「えーと……どうするの? もしかして頭に付けるの?」
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