落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 幼い獣人たちの褒め殺しに、私はとても気恥ずかしくなった。似合っているかどうかはわからないけど、ネコ耳付けて可愛いって言われるなんて、なんだかむず痒い。しかも、リンレンとホミに乗せられて「案外様になっているかも」と思い始めている自分が怖い。
「そ、そう? 似合う? バレないかな?」
「ええ。バレないと思います!」
「うん! 絶対バレない!」
「えっとー、じゃあ、行こうかな。ドーランへ」
 幻獣にも興味があるし、誰も見たことがない夢物語の世界には、心を惹かれる。どうせ森から出られないのだから、ここは飛び込んでみるべきかも!
「じゃあ、行きましょう! 僕たちの家に!」
「やったー! パトリシアお姉ちゃん、これからずっと一緒だね! 嬉しいなあー」
「うん、一緒だね!」
 左手でホミ、右手でリンレンと手を繋ぎ、私は幻獣の国ドーランへと向かう。兄妹の朗らかな声が響くと、真夜中の迷いの森の中は、寂しく不気味な雰囲気をガラリと変える。あたかも、新しい来訪者を祝福するような、そんな気配すら感じられた。

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