落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 私はホミに視線を向ける。すると、視線を感じたホミはぴくっと肩を揺らした。よく考えてみれば、交戦中の森に、子どもがひとりでいるのはおかしい。ホミだって危ないのはわかっているはずなのに。
「ああ、そうさ。それなのに、このホミは何度も森に出る! さっきも言ったけど、王様もほとほと困っているんだよ」
「だってだって、万能の薬草アロイーズは森にしかないんだもんっ!」
 ホミは声高に叫んだ。アロイーズ? その薬草を探すために危険を冒して森に?
「だからってなあ……まあ、気持ちはわかるぞ。お前たちの亡くなった両親が薬草師だったからな。それに、今バーディアとの戦争で怪我をする獣人も増えているから、アロイーズが必要なのも理解は出来る」
「でしょ?」
「でしょ? じゃない! 危険を冒して森に行き、奴らに捕まったらどうするつもりだ! 殺されるかもしれないんだぞ!」
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