落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
「充分よ。私の住んでいたところも二部屋だったけど、木材で作られていたから隙間風が寒くて。それに比べたら、この家はちゃんとレンガで造られているし、天国だと思うわ!」
 大魔術師ライガンは、魔術の腕は一級品だったけど、悲しいかな、建築の才能は皆無だった。家なんて雨風を凌げればいい、と考える人で、私たちが訪ねた時の小屋は廃屋同然だった。それを兄と私が一所懸命造り変えたのだった。
「そ、そうですか? ありがとうございます。まあ、立ち話もなんですから、座って下さい。ホミ、お茶を淹れるからお湯を沸かしてくれるかい?」
「はーい」
 私を円形のテーブルに促したあと、兄妹は忙しそうに働き出した。
 そして数分後、爽やかな香りのするミントティーを前に、私たちはテーブルを囲んだ。
「えっと……今更ですけど聞いてもいいですか? パトリシアはどうして魔術が使えるのですか?」
「あっ! あたしも聞きたいっ! 魔術って、幻獣なら簡単に使えるけれど、獣人や人間が使うのはすごく難しいって聞いたよ?」
「えっ、知らなかった。そういうものなの?」
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