落ちこぼれ白魔術師ですが、潜伏先の幻獣の国で賢者になりました ~絶対に人間だとバレてはいけない、ドキドキスローライフは溺愛付き~
 確かに人間の世界では、生まれ持った素養が大きく影響して、魔術を使える者は少ない。私と兄のように、天と地ほどの差が生まれることは多々あるし、志願しても魔術師になれない人は九割を占める。そう考えると私も稀有な側の人間だけど、やはり魔術師としては落ちこぼれだ。
「偉大な白魔術師ライガンに、兄と一緒に弟子入りして……そこで魔術を習ったのよ」
「ご両親は反対しなかったのですか?」
 リンレンは首を傾げた。兄妹で過酷な魔術の修行に挑むなんて、普通の親なら反対する、そう思ったのだろう。
 私は、ライガンの弟子になり、白魔術師になった経緯を、出来るだけ詳しく説明した。ふたりは流行り病で両親が亡くなったくだりに涙を流し、ライガンとの出会いに目を輝かせ身を乗り出す。苦しい修行の場面では、同じように苦しい表情をし、私の気持ちに寄り添ってくれた。
「お姉ちゃんもあたしたちと同じだったんだね。ますます好きになっちゃった」
「うん僕も。人間は残酷で身勝手な種族だと思っていたけど、パトリシアは全然違いますね。志が高くて素敵だと思います!」
「い、いや、それほどでも」
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